ベリヲタのための悲嘆のプロセス

[2014年8月]
あの発表から1週間が経ちました。こういうショックなことが起きると、いつも学生時代にデーケン教授という、いつも冗談ばっかりいう先生がいたのですが、彼が語っていた悲しみのプロセスというのを思い出します。

当時はたしか「死生学」という名前の授業で、死をテーマにしながらもいつも楽しい授業でした。大きなものを失ったことに対して人は、文化人種を問わずどのような心のプロセスを経るか、を示されたときは衝撃的でした。

このプロセスを予め知っているのと知らないのでは少しは違うかとおもいますので、本棚からひっぱりだしてきて、簡単に記しておこうとおもいます。下の12の段階は、順序が錯綜したり繰り返されたりなど個人差がありますが、誰にも肩代わりができないもので、ゆっくり消化するしかありません。

1 精神的打撃と麻痺状態
感覚が麻痺して現実感がない状態

2 否認
あの発表自体を否定
3 パニック
食事や睡眠といったことも支障

4 怒りと不当感
なぜ私がこんなことにという不条理感
5 敵意とうらみ
周囲、関係者に感情をぶつける
6 罪意識
あのときこうしてればと自分を責める
7 空想形成・幻想
これまでどおり変わらないとの思い込み、またその前提での行動

8 孤独感と抑うつ
むなしさや絶望
9 精神的混乱と無関心
自己否定や周囲への関心を失う
10 あきらめ(受容)
現実を受け入れはじめる

11 新しい希望(ユーモアと笑いの再発見)
健康的な生活を取り戻しはじめる
12 立ち直りの段階(新しいアイデンティティの誕生)
元の自分ではない、新しい成熟した自分ではじめる



時はむなしくすぎさるのではなく、
またわたしたちの感覚をいたずらに流れ去るのでもない。
時はわれわれの心のうちに不思議なはたらきをする。
時は近づいては過ぎ去ることによって、
わたしのうちに、
新しい希望と新しい記憶を植え付ける
(西暦397年 アウグスティヌス)