CD、DVD全部買った。一番音がいいのはどれよ!

(注:こちらはマニアックな人向けの内容です)

新曲がリリースされると「とりあえず全部買ってます」という忠実なるベリヲタの諸君は、最終的に同じ曲を次の各メディアで聴くことになる。

1 CD(シングル)
2 CD(アルバム)
3 CD(スッペシャルベストアルバム)
4 DVD(シングル付属MV)
5 Youtube(公式サイトMV)
6 Amazon MP3
    リリースイベントやらプロモーションの熱気が過ぎ、しばらくすると、だんたんとお気に入りの曲がはっきりしてきて、時に曲だけをじっくり楽しみたいときがくる。

    そんなときは一番音がいいもので楽しみたい。ここでは「音がいい=マスタ音源に近い=カットされている情報が少ない」と定義して、どのメディアが一番かを決定したい。

    ガダルカナル・タカ「ほとんど変わんないじゃない」
    嶺脇社長「いや、ちょっと、ここのあたりが」

    CD /「大人なのよ!」(初回限定版B)

    1,2,3は同じメディアとして扱うことにするが、シングル、アルバム、ベストはデータ上は異なる

    CDは22.05KHzまできれいな特性を見せている
    たまに質の悪いCDがあるが、Berryz工房のCDは総じてスペックどおり、16bit44.1KHzの左右2チャンネル分の22.05KHzまできっちり収録されている。

    DVD /「大人なのよ!」(初回限定版A)

    4のDVDはISO形式で取り込んだ後、音声ストリームLPCMをWAV形式でファイル化している。なお同じDVDでも「DVD MAGAZINE」の音声ストリームはAC3等の圧縮音源であることが多いので、このシングル付属DVDは、何気に音が重視されて作成されている。

    DVD(シングル付属)は24KHzまでしっかり
    こちらもスペックどおり16bit48KHzの片チャンネルあたり24KHzまで収録されている。つまりCDとDVD作成の元となる音源マスタ(最近は96KHzや192KHzのようだが)が同じとすると、CDよりDVDの方がより多くの情報が収録されていること確認できる。ところが・・・

    21KHz過ぎた時点でまさかの落ち込みが
    最新シングル「大人なのよ!」のサビの部分で、dBが上がる際に21KHz過ぎで急激な落ち込みが確認された。サビが過ぎるとまたなだらかになる。曲と照らし合わせると、どうやら使用している特定のマスタエフェクタが原因らしい。

    この現象はCD音源(Instrumental)でも確認したので、DVD特有ではなく、大元のマスタ音源でこうなってしまっているようだ。このような急激な落ち込みは、高域とはいえ聴感上の曇りにつながることが多いので、せっかくカッコいいサビの部分、アルバムに収録される際はぜひ改善してほしい点である。

    Youtube /Berryz工房 公式チャンネル「大人なのよ!」

    5のYoutube公式チャンネルにアップされているMVを、1080p指定で音声ストリームAACを RAWのまま取得して解析。

    16KHz手前でばっさり
    映像にビットレートを多く費やしたためか、音声はけっこう手前でローパスフィルターがかけられている。これは音声ストリームのビットレートが126Kbps前後と、低めなことが影響しているのだろう(高域の情報をカットすることで、それ以下の情報量を増やして聴覚上の品質を落とさないしくみ)。

    Amazon MP3 /「Berryz工房 スッペシャルベスト vol.1」

    6のMP3はAmazonからダウンロードした「スッペシャルベスト vol.1」もの。こちらはRME社のTotal Mixで内部ループバックして、ダイレクトに特性解析にかけている。

    CD並みの特性をみせている
    始める前は「MP3なのでまあばっさり切っているだろうな」とおもいきや、特性上は落ち込みがない。ビットレートは平均275Kbps前後で、一番高いのは「あなたなしで生きていけない」の285Kbpsであった。通常MP3では、高域データを切らない場合、ビットレートをかなり上げる必要があるのだが、Amazonが使用しているエンコーダは優秀のようだ。

    ちなみにCDをFLAC等のロスレスでエンコードした場合、曲によって異なるが、Berryzの曲の場合は音が詰まっているので、がんばってもビットレートは1100Kbps前後にしかならない。一方、Amazonはローパスをかけずに275Kbpsに落として、それを有料で販売する品質を維持しているのはすごい。

    結論 
    「いい音」をその含まれる情報量だけで判断するなら次のようになる。つまりCD初回限定版等のDVDに含まれる音声ストリームである。マニアックな人は、これをごにょごにょしてロスレスで取り出して、ぜひビットパーフェクトな再生環境で楽しみたい。

     >1=2=3>>>>6>>>>5

    1 CD(シングル)
    2 CD(アルバム)
    3 CD(スッペシャルベストアルバム)
    4 DVD(シングル付属MV)
    5 Youtube(公式サイトMV)
    6 Amazon MP3

      テレビ放送、ラジオ

      その他のメディアとして、まずフルで放送されることはないが、地デジやBSデジタルでMVが流れることがある。こちらをいくつかチェックしたが、どれも音声ストリームは圧縮されたものなので、敢えて取り出す必要はない。ラジオはいうに及ばず。ちなみに映像部分はデータ量でみるならBSデジタル>地デジである。

      コンサート、ライブメディア

      最新の以下のライブDVD、ブルーレイは両方とも音声は同じ、16bit48KHz、リニアPCMで収録されている。
      • 七夕スッペシャルライブ2013 [DVD]
      • コンサートツアー2013春 ~Berryzマンション入居者募集中!~  [ブルーレイ]
      早めになだらかに落ちていく
      特性はいずれも20KHz前後から落ち込みを開始している。これは録音機材の性質によるものか、または折り返しひずみ防止のためか不明であるが、これがマスタ音源に起因するものとすると、将来仮にライブ版のCDが出る場合の不安要素である。